誰しも自分の死後のことは気になるものです。
遺されたご家族の将来のこと、葬儀についての心配、諸々の家事の整理のことなど枚挙にいとまがありません。
財産をお持ちの方であれば、その財産の帰属についても気になることでしょう。財産の帰属を巡って相続人間に争いが起きないだろうか、不安は募ります。
そうした死後の不安を解消する手段の一つに遺言があります。
遺言とは、死後のことについてあらかじめ生前中に意思を表しておくことです。
そして、遺言は遺言者の死亡の時から効力を生じることになります(民法985条)。
今からでも遅くありません。
いずれ訪れる最期に備えるためにも、遺言をしませんか?
では、具体的にどのような場合に遺言をしておけばメリットがあるのでしょうか?
ご夫婦にお子さんがおられない場合に、配偶者へ全部の財産を残したいとき
例えばご主人が亡くなられた際(ご主人のご両親は亡くなられていると仮定します)、ご主人にご兄弟がいれば、法定相続人は奥様とご主人のご兄弟ということになります。 法定相続割合は奥様4分の3、ご兄弟4分の1となります。しかし、全財産を奥様に残したいとお考えであれば、遺言をされておくことが必要です。遺言がなければ、奥様とご兄弟との間に争いが生じ、全財産を奥様に残すことができなくなるかも知れません。ご兄弟には遺留分はありませんので、遺言さえあれば、安心して奥様に全財産を残すことができます。
相続人間で遺産争いが起きる可能性がある場合
現在、相続人同士の仲が悪く、将来あなたの遺産分割の際、争いが起きる可能性が高い場合には、遺言で財産の分配方法決めておくことで未然に相続人同士の遺産争いを防ぐことができます。
また、今は相続人同士で仲がよくても、遺言をすることにメリットはあります。遺産相続をめぐって相続人同士で争いになり、遺産争いがきっかけで相続人同士の縁が切れてしまうことはよくある話です。将来、相続人同士で争いが起きないよう、遺言で遺産の分配方法を定めておけば安心です。遺された親族への思いやりを形にしましょう。
相続人以外の方へ財産を残したいとき
あなたの財産は相続人がいれば相続人が引き継ぐことになります。しかし、相続人でない方に財産を残したければ、遺言をしておくことが必要になります。相続人でない方とは、例えば内縁の妻であったり、身内であるが相続人とはならない方、全くの他人等が考えられます。遺言がなければ、相続人以外の方に財産を残すことはできません。もし財産を残したい方がおらるのであれば遺言をしましょう。
相続人がいらっしゃらない場合
あなたに相続人がいらっしゃらない場合、あなたの財産は基本的にはすべて国のものとなってしまいます。生涯築かれた大切な財産です。特定の人や団体に財産を与えたり、各種団体へ寄付をすることで有意義に財産を使われませんか。遺言をすることにより、あなたの希望を実現することができます。
しかし、せっかく遺言の内容をきめたたとしても、その遺言の効力が生じなければ意味がありません。民法は、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。」(民法960条)と定めています。つまり、遺言を自由勝手な方式でしたとすれば、何の効力も生ぜず、無意味なものとなってしまいます。一般的な遺言の方式として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります(民法967条)。
それでは3つの遺言の性質、メリット・デメリットは何でしょう?
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が紙に遺言内容、日付及び氏名を全て自書し(パソコン等で作成したものは認められません)、それに押印して作成するものです。
メリット
いつでも手軽に費用もかけず作成できます。
デメリット
全文自書しなければならないため病気等で体の自由がきかなくなり文字が書けなくなれば遺言ができません。遺言書が紛失する恐れや、遺言書を改竄される恐れがあります。自筆証書遺言は基本的には相続人全員の立会いのもと裁判所で検認手続を経なければならず、煩わしさがあります。
公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、それを基づいて公証人が作成します。
メリット
公証人に口授することによって公証人が作成してくれるため文字が書けなくても遺言可能です。遺言書の原本は公証役場に保管されるため、紛失や内容が改竄されるといった恐れはありません。自筆証書遺言のように家庭裁判所での検認手続が不要ですので、遺言内容が速やかに実現できます。
デメリット
費用がかかります。証人2名の立会いが必要なので証人の確保が必要となります。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言書を封書に入れ遺言書に押印した印と同一印で封印し、その封書を公証人に差し出して、遺言者本人が作成したものであるかを確認した上で作成されるものです。
メリット
遺言内容を誰にも知られずに作成することができます。原本が公証役場に保管されるので、遺言書の紛失・改竄という恐れはありません。
デメリット
費用がかかります。自筆証書遺言と同様、検認手続が必要です。また、証人2人の確保が必要です。
以上のように、遺言をするには、法律の定める一定の要件を満たす必要があります。法律の定める方式に則って遺言をしましょう。
しかし、遺言の方式が整っていたとしても、遺言の内容が複雑で後に紛争が生じる要因となってしまえば、元も子もありません。
当法人では、遺言した内容が、あなたの死後に確実に実現できるよう、法律家としての専門的立場からお手伝いをいたします。
また、遺言内容が安心かつ確実に実現されるため、当法人は遺言執行者になることもお引受けしております。遺言執行者を選任しておかなければ次のようなデメリットがあります。
例えば、遺言で不動産を第三者に残された場合、共同相続人全員と第三者の方で不動産の名義書き換え手続をすることになります。必ずしも共同相続人全員の協力が得られるとは限りませんし、遺言内容を実現するのに時間がかかる可能性もあります。
しかし、遺言執行者を選任しておけば、遺言執行者が手続をすすめていくことになります。共同相続人全員の協力は不要です。よって、遺言執行者を選任しておくことで迅速かつ確実に遺言内容を実現することができます。
当事務所は、法人かつ法律の専門家ですので、安定・継続・正確なサービスを提供できます。安心してご依頼ください。




